【安全への挑戦】新系列車両の工夫を徹底解説!
鉄道。
それは、多くの人を乗せて、目的地まで運ぶ乗り物です。
鉄道会社では、多くの命を預かっているということを忘れないように、というような教育がされていることでしょう。
日本の鉄道は世界一正確かつ安全に運行されています。
それは、運転士、車掌を始めとする現場の力あってこそだと思います。
皆さんこんにちは。
本日は、JR東日本の代表的な車両、209系に始まる新系列電車の安全対策について触れたいと思います。
最近の車両を見ると、運転室スペースがかなり広く取られているのが分かると思います。
また、運転士の真後ろの部分には窓がなく、不思議な枠線があります。
これらはいったい何なのでしょうか?
時は1990年代。
老朽化した多くの国鉄車を大量に置き換えなければならなかったJR東日本。
低コストなどをコンセプトとして、全く新しい車両を開発していました。
のちの209系です。
kishuji-kaisoku.hatenablog.com
しかし、1992年、成田線、大菅踏切にて車両の安全性が問われるほどの事故が発生しました。
当時成田線では113系が活躍していましたが、当踏切にてダンプカーと衝突。
鋼鉄車で相当の強度があったであろう113系の前面が原型を留めないほど大破する大きな事故でした。
当時の運転士は残念ながら亡くなってしまいました。
しかし、事故が発生した時点では生存しており、その後の救出活動が難航、病院への搬送途中で亡くなっています。
これを受け、JR東日本は開発途中だった209系と、以降の車両に多くの安全対策を施すことになります。
209系は既に製造直前だったこともあり、前面の更なる強化を実施。
従来車両についても鉄板を増設し、前面強度を高めました。
その後のE217系からは更に運転室スペースを確保するようになります。
運転士ドアを中心に、その前後にクラッシャブルゾーンと呼ばれる、事故時につぶれることで衝撃を吸収する部分、運転士ドア辺りは強固な構造で空間を確保するサバイバルゾーンが設けられます。
運転士、乗客ともに事故時に衝撃を和らげるための大切な構造です。
続いて運転士後ろの窓がない部分についてです。
大菅踏切事故では運転席が大破し、運転士を救出することが出来なかったのを教訓に、該当部分を簡単に取り外すことが出来るようにしたものです。
最前線で車両を運転する運転士を守るため、こちらも重要な設備となっています。
いかがだったでしょうか?
乗客を安全に運ぶのはもちろん、運転士の安全を守ることも鉄道車両には求められます。
過去の大きな事故を教訓に、日々安全な車両が開発されています。
209系からの新系列電車はまさにその賜物でしょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。