敷島路快速 全国行き

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地下鉄のナゾ【拡幅車体が走らない理由】【前面に扉がついている理由】

地下鉄。

 

それは、地面の下のトンネルを走る鉄道です。

日本では浅草上野に開業した銀座線が最初であり、また東洋で初めての地下鉄道であったことでも知られています。

 

現在は、東京を中心に様々な大都市の人々の足となっています。

 

そんな地下鉄ですが、実は様々な制約のもとで運転されているのです。

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拡幅車体が走らない理由

初めに、幅の広い車両(拡幅車体)について見ておきます。

JRでは、一編成当たりに乗せられる乗客を少しでも増やすため、首都圏を中心に拡幅車体と呼ばれる車両が活躍しています。

 

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拡幅車体の一例 (E233系) 

車体の上部から下部に向かって湾曲していると言いますか、少々曲がっているのが確認できると思います。

このおかげで一両あたりの定員を増やすことに成功しています。

 

ところが、地下鉄や、地下鉄に直通する車両にはこのような構造の車両が走っていません。

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JR東日本 東西線直通用E231系 (非拡幅車体)

地下鉄に拡幅車体が走っていない理由は、ずばり、工費を抑えるためです。

当然、地下鉄の開業には穴を掘る必要があるわけですが、穴の直径が大きければ大きいほど、掘削費は高くなります。

 

そのため、東京メトロ並びに直通運転する私鉄などの車両には拡幅車体は活躍していません。

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例えば、日比谷線と直通運転を行っている東武鉄道70090系もその一例です。

 

 

前面に扉がある理由

続いて、前面扉がついている理由を見ていきます。

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このように地下鉄車両やそれに準ずる車両には必ず前面に扉のようなものがついています。

 

実際、これは扉で、非常時に使われるものです。

地下鉄を作る上で、車体とトンネルの壁の間に最低400ミリ以上の空間を確保できない場合には、前面に非常用の扉を設けることが法律で定められています。

 

掘削費を抑えるためにギリギリに作られている地下鉄では、40センチ以上の幅を確保できないため、必ず非常用扉を前面に設けています。

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伊豆急行8000系 (かつては東急電鉄で活躍しており、地下鉄直通運用もあった)

 

つまり、逆に言えば、40センチ以上の空間があれば、非常用扉を設ける必要はないことになります。

実は40センチ以上に基準が変わったのは割と最近のことで、それ以前は地下を走行する場合には前面扉を設けるか、拡幅車体は入れないことが義務でした。

特にE217系は法律改正が製造時期に重なったことから、ある時期を境に前面扉はダミーとなっています。

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右が法律改正前(非常扉用のガイドがある)

同様に京葉線も、当時は法律の問題をクリアできなかったことから、205系などが活躍していましたが、改正以降は拡幅車体のE233系が活躍するようになりました。

 

 

いかがだったでしょうか?

 

 

地下鉄は、工費を抑えたかったり、非常時に逃げ場が少ないことから、拡幅車体を入れることが出来ません。

 

 

地下鉄車両を観察してみるのも面白いですね。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。