敷島路快速 全国行き

旅行、鉄道に関するブログです。グルメ、移動手段、観光地等をまとめているので、参考にしていただければ幸いです。お役立ち情報や旅行グッズ紹介も時々やります!※心機一転?、名前変えましたが今後ともよろしくお願いします!

常磐線の曲者揃いな車両を紹介!【グリーン車がない車両】【歌う車両】【交直デッドセクション】

皆さん、こんにちは。

 

常磐線を利用したことはありますか?

最近、滅多に乗る機会がない常磐線に乗ったんですが、活躍する車両が他路線と比べて独特だよなぁ…

と感じましてね、ちょっとした車両紹介をしようと思いました。

 

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さて、早速他記事への丸投げで恐縮ですが、常磐線についてはコチラをご参照ください笑

全線復旧時の記事です。

kishuji-kaisoku.hatenablog.com

 

 

初めに大前提として、常磐線に特殊な車両が多い理由を見ておきます。

沿線である茨城県石岡市には、気象庁の磁気観測所があります。

 

都市部の多くの鉄道路線直流電流を用いていますが、これがどうやら磁気観測には影響を与えてしまうそうです。

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そこで、取手以北では交流電流を採用しています。

取手という位置が見事に微妙で常磐線にはいろいろな車両が活躍しています。

 

ちなみに、交直を切り替える仕組みは、一定の距離において電流を流さない区間(デッドセクション)を設けます。

そこに高速で突入し、惰性走行させている間に切り替えスイッチを入れ替えるというものです。

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複雑な交直両用パンタグラフ

 

 

E231系

まずはE231系です。

この車両は、総武緩行線に投入されたE231系0番台をそのまま常磐線快速に続投する形でデビューしました。

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そのため、完全な通勤型であり、オールロングシートグリーン車は連結されていません。

その一方で、最長15両編成で運転されているという面白い車両になります。

 

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また、直流専用のため、取手までの区間成田線我孫子支線で活躍しています。

グリーン車を連結していない理由もここにあり、取手が東京から比較的近いためです。

 

E501系

取手以北、土浦辺りまでは東京への通勤需要も高く、取手乗り換えは不便なため、交直両用車も使われていました。

かつては国鉄415系などが活躍していましたが、その置き換えなどを目的にE501系が投入されます。

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209系の交直両用版車両です。

デビュー時はドレミファインバータと呼ばれる音階を奏でながらの加減速が面白かったものですが、現在は機器更新により聞けなくなっています。

 

後に、デビューするE531系に押され、現在は土浦いわき間が主な運用区間になっています。

E531系のように130キロ運転が出来ず、耐寒設備も持たない事から、運用エリアが限定されています。

 

E531

常磐線中長距離のエースともいうべき存在のE531

見た目普通列車ですが、足回りは特急と同等のものを使うことで時速130キロ運転が出来ます。

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その俊足を生かして、打倒つくばエクスプレスを謳う特別快速をはじめ、原ノ町までの区間東北本線黒磯~新白河水戸線ワンマン運転など、様々な路線で活躍しています。

 

E657系

E657系常磐線で活躍する特急車両です。

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かつての651系などは、デッドセクション通過時に車内灯が消えていましたが、この車両ではそのようなことはなく、冷暖房が止まるのみです。

 

UTL直通の電車が品川止まりの理由

上野東京ライン開業以来、東北本線系統と東海道線系統は相互直通運転をしていますが、なぜか常磐線系統にはそれがありません。

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その理由は、E231系グリーン車設備がなく、あまり遠くまで行くと他路線車とのサービスに差が生じてしまうから、E531系は交直両用車ゆえ、他路線車では代走が利かず、直通先で足止めされると常磐線内にも多大な影響を与えてしまうからです。

東京駅だけで折り返しを捌くのは難しいため、品川止まりという選択がされたのだと思います。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

気象庁ということで、流石に国には逆らえなかった常磐線

 

交直両用車やグリーン車を持たない車両など、首都圏路線の中では割と異色の存在だと思います。

 

常磐線にお乗りの際は、何系に乗っているのかを楽しむのも良いかもしれませんね。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

 

【睡眠時間??】E4系新幹線のグリーン車が快適すぎた

皆さんこんにちは!

 

E4系新幹線に乗ったことはありますか?

多くのスキー板を持ったお客さんを上越へと運んできたE4系新幹線。

 

今秋で引退が決定するなど、まもなく乗れなくなってしまう車両の一つです。

 

そんなE4系新幹線のグリーン車はあまりにも快適なので、本日はその紹介をします。

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まずはE4系新幹線について軽く見ておきます。

基本編成は8両編成で、817人の定員が確保されています。

また、これを二つ繋げた16両編成での運転時は、1634人となり、これは世界最大の輸送力となります。

 

バブル時代周辺には、群馬県栃木県にマイホームを建てて、そこから新幹線で通勤するという考え方も割と一般的だったそうです。

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そこで、高速大量輸送をするべく、E1系新幹線に次ぐオール二階建て新幹線として、当初は、仙台の新幹線総合車両所に所属し、東北新幹線でも活躍していました。

 

E3系400系つばさとの併結時にはその大きさに驚いたのを覚えています。

 

 

現在は、東北新幹線E5系が増備された関係で上越新幹線が主な活躍の場となっています。

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本来であれば、2020年末で全車引退となる予定でしたが、2019年の長野県の豪雨でE7,W7系が水没してしまった関係で、上越新幹線に投入予定だったE7系北陸新幹線に転用し、上越新幹線E4系を延命することになりました。

 

ただし、今年の秋までということで、先は長くありません。

そんなE4系グリーン車グランクラスに匹敵するほどの快適さです。

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自由席を想定した普通車は3-3配列ですが、グリーン車は2-2配列となり、かなり広いです。

また、通常は一番前に当たってしまうとハズレ感がありますが、むしろこの場合はアタリです笑

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手動ではありますが、このようにふくらはぎの部分を起こすことが出来、

 

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フットレストまでついているので、かなり快適です。

また、スキーシーズンを除けばほとんど混むこともないので、座席自体も大きくリクライニングさせても問題ないと思います。

 

 

せっかく新潟なので、限定ビールなんか買っちゃったりしてね、優雅な時間を過ごすというのもいいと思いますよ。


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ちなみに、グリーン車には時刻表が設置されてるので、それを肴に決めるビールというのもなかなか…

 

良くないですね笑笑

 

時刻表は読み物…

読書タイムに読んで何が悪い!

 

私の鉄道仲間の名言をお借りしたところで本日はこれでしめましょう。

 

いかがだったでしょうか? 

 

手動ではあるものの、フットレストなどがあり、グランクラスに匹敵するとされるE4系新幹線のグリーン車

 

E7系にトラブルがあった関係で延命されましたが、今年の秋までの運用ということで、引退は間近です。

 

後悔のないように乗るなり、写真に収めるなり、どうぞお忘れなく!

 

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

【スカレンジ】総武快速・横須賀線の新型車両に乗ってみた!

皆さん、こんにちは!

 

総武快速線横須賀線用のE235系はもう乗りましたか??

正直、今更感が半端ないですが、本日はE235系の紹介をしたいと思います。

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まずは簡単にE235系1000番台(当形式)が活躍する路線を見ておきましょう。

 

まずは総武快速線です。

東京から千葉、そして銚子へと結ぶのが総武本線です。

その中でも、千葉までは東京への需要が高く、国鉄通勤五方面作戦にて複々線化された路線の一つです。

 

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快速線開通時は、東京には乗り入れておらず、両国始発となっていたことでも有名ですね。

当時、東京に行こうとすると、両国から緩行線に乗り換え、秋葉原山手線等に乗り換える必要があったそうなので、とても不便そうですね。

その後、長大な東京トンネルを掘削し、横須賀線側と東京駅で繋げられることとなります。

 

続いて横須賀線です。

こちらもまた、通勤五方面作戦でSM分離された路線です。

それまで、横須賀線の電車と東海道線方面の電車が線路を共有しており、輸送力が限界でした。

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そこで、東京ー品川間に横須賀線用の線路の新設、鶴見までは品鶴線の線路の転用、東戸塚までの区間では、貨物線を新設の上、従来の貨物線は旅客用に転用されました。

 

ちなみにSM分離というのは、横須賀線をS電、東海道線をM電と呼んだことに由来します。

 

結果として総武線横須賀線の二線を東京駅で繋げました。

 

 

さて、そんな二つの路線ですが、初代の列車には113系が使われていました。

私が物心ついたときは既に房総ローカルのみでの活躍でしたが、15両編成を組んだ姿はさぞ圧巻だったと思います。

 

続いて二代目がE217系です。

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新系列電車の第一世代であり、通勤型である209系の近郊型です。

1994年から運転を開始し、更新前のGTOVVVFインバータ音が好きだという方はきっと多いと思います。

 

そしていよいよE217系も30年が経とうとする今日この頃、三代目となるE235系が昨年の12月より投入されました。

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山手線の兄弟車で、前面は電子レンジ…、もとい横須賀線を表すスカと組み合わせてスカレンジと呼ばれています。

 

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側面は山手線とは異なり、従来の車両と同様のデザインとなっていますが、下のラインの一番上の青の線は無くなりました(E217系の写真と比較するとわかりやすいと思います)。

 


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普通車の座席は、E217系では石と言われていましたが、こちらの椅子は比較的柔らかくなっています。

 

続いてこちらがグリーン車です。 f:id:kishuji-kaisoku:20210328034722j:plain

座席のデザインも変わり、カーペット張りのため、従来車よりも高級感があります。

また、デジタルサイネージが採用されているため、駅などの情報についても確認しやすくなっています。

 

また一席につき、一つのコンセントがついており、通勤型の列車としては初めての設備となっています。

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これなら電源を気にすることなく仕事が出来そうですね。

 

 

いかがだったでしょうか?

 

初日から少々のトラブルがあったようですが、順調に増備を続けているE235系

またE217系のごとく30年酷使されるんですかね…?笑

 

近いうちに引退、全廃となるE217系の記録などもお忘れなく!

 

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

私鉄座席指定列車シリーズ(6) 拝島ライナー

座席指定列車シリーズもいよいよ第6弾です。

 

今回は、西武新宿線拝島線で運転される拝島ライナーです。

 

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西武鉄道では、従来より本川に向けて特急小江戸などが運行されていた関係で、そこまで座席指定列車には熱心ではありませんでした。

JRが青梅ライナーを運転していたことや西武新宿駅が少し離れていることも理由としてあるかもしれません。

 

しかし、支線経由ではあるものの、それなりに需要があることを鑑みて、拝島ライナーが設定されたものと思われます。

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ライナー料金は300円で均一なものの、なぜか下車駅も指定する必要があります。

 

全体的な停車駅は、西武新宿高田馬場小平萩山小川東大和市玉川上水武蔵砂川西武立川拝島となります。

 

高田馬場は乗車専用駅のため、降りることは出来ません。

特に西武新宿と高田馬場で、乗車号車を分けていないようで、新宿で4割ほどの乗車率が高田馬場で6割ほどになりました。

 

西武新宿が新宿から少し離れていることへの救済の意味合いもあるのか、西武線は全列車が高田馬場に停車することになっているため、乗り換えの際は当駅の利用をおススメします。

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高田馬場を出発すると、JRの線路の下をカーブを描きながらくぐっていきます。

 

多くの座席指定列車の例にもれず、遠近分離を意識した停車駅設定になっています。

急行停車駅である、鷺ノ宮石神井田無は通過します。

 

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運行開始は2018年のため、座席指定列車としては後発の部類に入りますが、同時期にデビューした京王ライナーに比べると車内は比較的シンプルなものとなっています。

ただ、珍しいことに、車内にお手洗いが設置されています。

20分程度ノンストップで走行するため、これはありがたいですね。

 

 

基本的に現在は夕方、下り方面のみの運転となっています。

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最初の停車駅、小平で本線から分かれて拝島線に入ります。

拝島線内は各駅に停車、西武新宿から拝島までの所要時間は50分ほどです。

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いかがだったでしょうか?

 

本線で運行されることが多い座席指定列車の中では、支線を経由する拝島ライナー。

 

西武鉄道全体で見ても、座席指定列車の充実度としてはまだ可能性があると思います。

西武新宿は中心地から離れているものの、西武線自体は様々な路線を持っているので、それを生かしたライナーの新設も面白そうですね。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

【東北新幹線】東京~大宮間の速度向上 110㎞/hから130㎞/hへ!!!

東北新幹線

 

それは日本最長の鉄道路線であり、日本最速の新幹線でもあります。

宇都宮盛岡までの区間では、時速320キロ運転をしている東北新幹線ですが、東京から大宮までの区間は、新幹線らしからぬ低速で走行します。

いろいろとオトナの事情があって、速度制限がかけられているのです。

 

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東北新幹線は、今年のダイヤ改正で当該区間の最高速度が時速110キロから時速130キロに引き上げられました。

正直お伝えしたいことはこれだけなのですが、あまりにも実りがないので、なぜこんなにも低速で走らなければならないのかについて見ていきたいと思います。

 

理由は主に二つあります。

 

 

 

 

1 急カーブが多い

まずは、東京から大宮間には土地の余裕がなく、急カーブがたくさんあることが原因です。

通常、東海道新幹線以外の新幹線については、曲線半径4000メートル以上のカーブでなければならない事が定められています。

 

しかし、土地の都合で直線的に線路を引けない区間については、それ以下のカーブを敷設することが容認されます。

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東海道新幹線については、規格が古い関係で半径2500mのカーブとなっている

さて、東北新幹線当該区間には半径が400mのカーブも存在するため、極端な高速化は不可能でした。

仮に高速化しても、加減速が激しく、乗り心地の問題も発生してしまいます。

 

しかし、上野大宮間が並行在来線と所要時間がさほど変わらないというのは流石に問題ということで、2年ほど前から高速化工事をしていました。 

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2 沿線住民との協定

2つ目は国鉄時代に結ばれた沿線住民との協定です。

新幹線の開業に際して騒音が大変問題視され、東北新幹線の東京延伸が遅れたとされているほどです。

 

東北新幹線の開業に際して、並行する通勤路線の新設と110キロの速度制限が条件として付けられました。

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並行する通勤路線というのは現在の埼京線のことです。

 

当時の国鉄としても、新幹線には多くの工夫を凝らし、当時最新の200系新幹線を投入したこともあり、隣の埼京線の方が遥かにうるさいという状況だったそうです。

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ここから先は、都市伝説のようなものですが…

埼京線って割と205系が長く活躍していたイメージありませんか??

 

これは、隣に静かな新幹線を走らせておきながら、埼京線にはうるさい電車を走らせ続けることで、沿線への当てつけの意味合いもあったとか、無かったとか…

 

3 2021年から130㎞/h化

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いろいろと速度制限には苦しめられてきた東北新幹線ですが、今年のダイヤ改正で最高速度が130キロまで引き上げられました。

 

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短縮時間としては、数分の範囲内ではありますが、今後の盛岡以北の高速化と合わせて更なる時間短縮に期待したいですね。

 

 

いかがだったでしょうか?

 

国鉄時代の協定を今も適応している東北新幹線

正直、東京ー大宮間は乗る価値も薄いとされていますが、若干の速達化によって少しは価値が高まったと思います。

 

 鉄道博物館に行かれる際には是非、東北新幹線をご利用ください!!笑笑

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

【京成はダサくない!】ギリギリのタイミングで全線改軌を決めた大英断!

皆さんこんにちは!

 

前回で京成シリーズを終わりにしようと思っていたのですが、線路幅を全線で変更した京成電鉄の英断を是非とも紹介したいと思ったので、もう一回京成シリーズです。

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ご存じだと思いますが、鉄道は二本の線路の上を走行します。

その線路の幅は鉄道会社であったり、その会社の背景によって様々です。

 

基本的には、線路幅が広いほど安定走行や高速走行が可能ですが、曲線半径が大きくなります。

 

基本的にJR在来線関東私鉄大半東京メトロ大半狭軌と呼ばれる1067ミリ新幹線関西私鉄大半標準軌と呼ばれる1435ミリが日本の主要な線路幅です。

 

一方、多くの路面電車京王都営新宿線などについては馬車軌と呼ばれる1372ミリの特殊な軌道を使っています。

馬車軌の誕生背景としては、馬車が活躍していた時代、どうにも馬の足が線路に引っ掛かり、馬が怪我してしまうので、それを防ぐためでした。

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さて、ここからが本題ですが、かつて路面電車から出発した私鉄については、多くが馬車軌道でした。

しかし、のちに狭軌、もしくは標準軌への改軌を行っています。

電車の本数が多ければ、とても安易に改軌を行うことは出来ないので、現代において改軌するのは不可能と言えます。

 

そんな中、ギリギリのタイミングで標準軌に改軌したのが京成電鉄でした。

時は1957年京急電鉄京成電鉄は、都営浅草線を介した直通運転を計画します。

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当時、京浜急行側は諸々あって2回改軌していたため、都営線京急に合わせた標準軌で建設されることになりました。

一方、この時点で馬車軌道だった京成は支線を含めた全線を改軌することを決めます(どの鉄道会社と直通を行うかで京急は何度も改軌をしており、京成はそのとばっちりを受けたイメージです)。

 

1959年10月9日、営業運転を止めることなく100キロに及ぶ京成電鉄全線、及び新京成電鉄の改軌が始まります。

そして約2か月後の11月30日、全線改軌を完遂しました。

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鉄道の需要もこれからどんどん伸びていく時代に突入するため、改軌できる本当に最後のタイミングだったと思います。

 

この見事な大英断のおかげで、京成スカイライナーは160キロ運転が出来ますし、線路幅を理由にした乗り換えはしなくて済みます。

新京成線津田沼止まりになることなく、千葉線まで直通可能、また成田空港羽田空港を電車一本で移動することも出来ます。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

ギリギリのタイミングで全線改軌を決めた京成電鉄

まさに大英断にふさわしいでしょう。

 

関東私鉄の中ではダサいというイメージが付きまとっていますが、過去には男前な決断をしていたんですね。

 

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

 

 

【国鉄千葉駅前駅】国鉄に移転させられた京成電鉄

本日は前回に引き続き、もう一回京成電鉄特集をしたいと思います。

 

何かと国鉄には泣かされてきた京成電鉄

その最たる例は千葉駅周辺だと思います。

 

今回は、旧国鉄京成電鉄の千葉駅周辺を巡って起きた問題を取り上げます。

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初めに、戦前の千葉駅周辺事情を確認しておきます。

 

当時の国鉄千葉駅は現在の東千葉駅のあたりに位置しており、房総方面の電車と東京方面の電車の直通にはスイッチバックが必要でした。

一方の京成電鉄千葉市の繁華街の中心地である富士見町あたりに京成千葉駅を持っていました。

 

太平洋戦争の空襲に遭った千葉市は焼け野原となり、その戦後復興の際に国鉄スイッチバックを無くすことにします。

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その際に問題になったのが、京成と国鉄が交差してしまうことでした。

そこで、国鉄千葉市は京成に土地を譲るよう要請しますが、うまくいきませんでした。

 

京成にとっては、千葉市の繁華街に駅があるのに、わざわざ栄えていないところに駅を移転しなければならないので、簡単に頷くわけがありません。

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大雑把な図ではありますが、赤線が戦前の国鉄青線が戦前の京成です。

 

結果的な折衷案としては、国鉄が当時の本千葉駅(現千葉中央駅、当時京成千葉駅)の土地を京成に譲ることとなりました。

これで一件落着ではありますが、国鉄に移転させられた京成は、現在の京成千葉駅にとんでもない駅名を付けます。

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それが国鉄千葉駅前駅という駅名です。

もはや国鉄への当てつけと言わざるを得ない駅名ですね笑

この名前は民営化の時まで使われ、京成千葉と改称されました。

 

 

一方、旧京成千葉駅であった場所は千葉の中心地だと言わんばかりに千葉中央駅と改称されました。

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おそらく、めちゃくちゃで皆さん混乱されていると思いますので、ここで駅名の変遷を整理します。

 

京成千葉駅:駅なし→国鉄千葉駅前→京成千葉

千葉中央駅:(国鉄本千葉)→京成千葉→千葉中央

本千葉駅国鉄本千葉→土地を京成に譲り、南に1キロほど移転

 

つまり、国鉄の民営化に合わせて、京成千葉駅は一夜にして場所が変わったことになります。

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そして、昨日まで京成千葉だった駅は千葉中央に改称されました。

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現在、京成線では、千葉中央駅が富士見町の最寄りで、京成ローザ(映画館)があるなど、関東有数の繁華街となっています。

私事、某都会の男子高校生田舎の女子高校生が入れ替わる映画を京成ローザで見たのは良い思い出です笑

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いかがだったでしょうか?

 

やはり国鉄は国、自治体のバックアップがあったこともあり、一私鉄が容易に勝てる相手ではなかったことを物語っていると思います。

 

千葉はその先がないこともあって、行く機会も少ないとは思いますが、何かの際に行かれるときは、ぜひ京成線を利用してみてください。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。